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導入事例 - 東京都町田市役所様

二つに分離し運用管理が複雑化したクライアント環境。セキュアに課題解決したWyseと仮想デスクトップ・ソリューション

これまでの課題

セキュリティ上の理由により、一般のOA端末と専用の業務端末を分離させていたため、管理が非常に複雑化

選定理由

  • 既存環境との整合性、個人認証カードによるアクセスコントロールの利用が可能
  • OA環境と業務環境という二つの業務環境の切り替えの容易さ
  • コスト面も含め高い優位性

評価

  • Wyse独自OS「Wyse ThinOS」のゼロコンフィグレーション機能により、端末の増設にかかわる作業が大幅に減少
  • 新たに環境を増設するときに端末を設置するだけで、簡単に環境を用意できるので、業務負担が激減
  • OA業務と個人情報を扱う業務の切り替えにおいて利便性が高い、また極めて起動が速いなどのメリット

導入製品・ソリューション


賑わう商業施設と豊富な自然環境を併せ持つ町田市

町田市は、多摩川以南に位置する商業都市で、東京都の市町村では八王子市に次いで2番目に多い約42万人の人口を抱えます。町田市の中心地であるJR町田駅の北口周辺には小田急百貨店や109などの大型商業施設が集まり、周辺に多くの大学等が点在することもあり、若者で賑わう街となっています。これとは対照的に、市の北部は多摩丘陵による丘陵地帯で、この一帯には自然や田園風景が豊富に残っており、七国山・薬師池公園や小山田緑地などの自然公園もこの一帯にあることから、周辺地域はもとより、東京近郊在住者にとって憩いの場所となっています。
この町田市の地域行政を司る町田市役所で先頃、デスクトップ仮想化ソリューションとWyseシンクライアントの導入が開始されました。一部部署から導入を開始し、数年の導入期間を経て最終的にはほぼ全庁舎にて同ソリューションの導入を行う予定となっています。

二つに分離した環境が大きな課題に

町田市役所では、シンクライアント導入以前のPCによる職員のデスクトップ環境に大きな課題を抱えていました。それは、セキュリティ上の理由により、一般のOA端末と専用の業務端末を分離させていたため、管理が非常に複雑化していたという点でした。この点について、町田市役所 総務部情報システム課 佐藤 安弘主査は次のように述べています。

「一般のインターネット接続等でも使用する端末と、個人情報を扱い、非常に高いセキュリティ性が求められる業務端末をセキュリティの観点から分離させざるを得ず、端末のみならず、ネットワークも分離し、双方の管理が非常に複雑となっていました。一人の職員に対し、端末、ネットワークそれぞれ分離した環境を運用管理するのは、情報システム担当者として、非常に煩雑な業務が要求され、運用管理面の大きな課題となっていました。」

このクライアント端末に関わる複雑さを解消し、さらなるセキュリティ性の向上を実現すべく、PC一部更改に合わせ、仮想デスクトップソリューション導入プロジェクトが開始しました。
仮想デスクトップ・ソリューションはデスクトップ環境をサーバに集約し、イメージのみをクライアント側に配信するため、データがクライアント側に残らず、高いセキュリティ性を誇り、また、クライアント端末に対する運用管理業務を大幅に削減可能なため、前述の課題を解決し、クライアント端末の一本化と、セキュリティ性の向上をもたらすソリューションとして大きく期待されました。そして、この仮想デスクトップソリューションに加え、シンクライアント端末の導入も併せて検討されました。
既存のPCではなく、シンクライアント端末の導入を推進した理由として、そのセキュリティ性の高さがあげられました。

「地方自治体として、さらなるセキュリティ性の追求のため、職員が手元に公用データを持たない環境の確立を目指していました。シンクライアント端末は自機に記憶媒体を保持せず、データがサーバ側に集約されるため、既存のPC環境を脱却し、仮想デスクトップ・ソリューション+シンクライアント環境の構築を推進することとしました。」

そして、様々なシンクライアント端末製品からWyseシンクライアントが導入に至りました。

高い優位性を誇るWyseを導入へ

Wyseシンクライアントは、現在世界No.1シェアを誇るシンクライアントのグローバルリーダーです。今回導入した『Wyse C10LEシンクライアント』は平均7W以下の低消費電力に加え、マルチメディアへの対応も実現したハイスペックモデルです。
背面設置も可能なコンパクトモデルであり、高いセキュリティ性を誇るシンクライアント専用OS「Wyse ThinOS」により、高速起動や運用管理の容易さも実現します。
Wyse社の「Wyse ThinOS」は、独自開発のシンクライアント専用OSです。他の汎用OSと異なり、ウィルスやマルウェアなどの攻撃を受ける可能性のあるAPIを公開していないため高いセキュリティ性を誇ります。また大きな特長である『ゼロコンフィグレーション』により、端末側でのローカル設定やカスタマイズが不要であり、ネットワーク環境に接続後即運用が可能です。さらに、画面転送に特化した、非常にコンパクトなOSであるため、起動時間が7秒程度と極めて高速です。これらの機能が導入や管理負担の軽減、業務効率の改善などを実現し、TCO削減が可能となります。
シンクライアント導入にあたっては、既存環境との整合性が要求されました。そのひとつとして、個人認証カード(ローレル社製FSS)によるアクセスコントロールの利用があげられました。Wyseはこの点もクリアするとともに、OA環境と業務環境という二つの業務環境の切り替えの容易さ、さらにコスト面も含め高い優位性があり、最終的に入札を経て導入が決定しました。

評価と今後の展望

仮想デスクトップ・ソリューション導入により、当初の想定通り、クライアント端末の一本化が実現し、運用管理負担が大幅に減少しました。また、Wyseシンクライアントの導入により、端末設置にかかる作業が激変するなど大きなメリットがありました。これについて、同情報システム課 篠塚 重貴主査は次のように述べています。

「Wyse社の独自OSであるWTOSのゼロコンフィグレーション機能により、端末の増設にかかわる作業が大幅に減少しました。新たに環境を増設するときに端末を設置するだけで、簡単に環境を用意できるので、業務負担が激減しました。また、OA業務と個人情報を扱う業務の切り替えにおいて利便性が高い、また極めて起動が速いなど、大きなメリットをもたらしました。」

また、アセンテックは初期の段階から、Wyse社C10LEを提案し検証を支援するとともに、運用面における課題解決に取り組みました。具体的には、Wyse導入にあたり、認証カードと連動したiniファイル(設定ファイル)の管理運用面の課題に対し、独自に管理ツールを開発し提供を行いました。こういったアセンテックの柔軟な対応も評価されています。
今後の展開について次のようにコメントされています。

「町田市役所では、2011年度に約300台の端末追加を予定しています。そして、今後も老朽化端末について随時、シンクライアント端末に更改を予定しており、最終的には庁舎内3,000台の端末の大部分をシンクライアント化したいと考えています。より多くの端末が更改されたとき、仮想デスクトップそしてシンクライアントの力がさらに発揮されるものと期待しています。安定運用に向けて、御社にもさらに協力をお願いしたいですね。」

今回導入の仮想デスクトップソリューションは、構築から導入を岩手県盛岡市にある株式会社シンエイシステムと地元鹿角市にある株式会社村山事務器により提供されました。先進的なソリューションをいちはやく導入し効果を得たことにおいて、東北地方の地域行政システムにイノベーションをもたらしました。

お客様情報

お客様名 東京都町田市役所様
所在地 東京都町田市中町一丁目20番23号
人口 425,575人(推計人口、2012年7月1日)
世帯数 186,436世帯(2012年7月1日)
概要 町田市は、多摩川以南に位置する商業都市で、東京都の市町村では八王子市に次いで2番目に多い約42万人の人口を抱えます。町田市の中心地には大型商業施設が集まり、市の北部は多摩丘陵による丘陵地帯で、この一帯には自然や田園風景が豊富に残っています。
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