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導入事例 - 佐賀市役所様

「リモートPCアレイ」で導入コストの削減と省スペースを実現しながら200ユーザーのテレワーク環境を短期間で構築

導入の背景

以前より佐賀市役所職員向けのテレワークを試験的に開始していたが、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、職員の出勤抑制が必要となり、自宅などでも庁舎内と同様にPCを使用した業務が行えるテレワークの必要性が急激に拡大した。

選定理由

・200ユーザー規模のテレワーク環境を約6ヵ月間と短期間での構築が必要
・リモート接続先PCのスペース効率化と管理性の向上
・既存のインターネット分離環境を大きく変えずに導入が可能

導入製品・サービス

カタログPDF


自治体情報セキュリティ対策の見直しと、専用端末を使用したテレワーク環境を構築

ロゴ 佐賀市役所は、同県の県庁所在地であり、同県最大の人口を擁する経済・行政の中心地です。市域は南北に長く、南側は有明海に面し、南東部は筑後川を挟んで福岡県の大川市と柳川市、北東部は脊振山地を境に福岡県の福岡市と糸島市に接しています。2015年に世界文化遺産に登録された「三重津海軍所跡」などの歴史的文化遺産を多数有しつつ、脊振山系山麓部の山林や清流、日本最大の干潟であり独自の生物相を持つ有明海などの自然環境にも恵まれています。また、秋には嘉瀬川河川敷を中心に「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」が開催され、バルーン(熱気球)の街としても知られています。
佐賀市役所は、2015年の総務大臣通知「新たな自治体情報セキュリティ対策の抜本的強化について」に基づき、個人番号利用事務系(住民基本台帳ネットワーク)、LGWAN接続系(総合行政ネットワーク)、インターネット接続系の3つを分離した「三層の対策」によるネットワーク環境を構築し、2017年から同市役所の情報セキュリティ対策を強化しました。
この取り組みと並行して、Soliton SecureDesktopを活用した市役所職員向けのテレワーク環境の構築にも着手し、同年に5ユーザーによるテレワークを試験的に開始し、その後10数ユーザーまで徐々に増やしながら、そのノウハウを蓄積してきました。
しかし、2020年4月頃から急速に進んだ新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、佐賀市役所でも職員の出勤抑制が必要となり、自宅などでも庁舎内と同様にPC(パソコン)を使用した業務が行えるテレワークの必要性が急激に拡大しました。そのため佐賀市役所では、必要数のテレワーク環境を2020年度中に構築することを決め、関係各社にシステム提案を求めました。

既存のテレワーク環境をベースに10数ユーザーから200ユーザーに拡張

松井 良男 氏
佐賀市役所
デジタル推進課
安元 秀志 氏
佐賀市役所では、2021年度からの運用開始に向けて、新たなテレワーク環境に関する検討を2020年6月から開始しました。関係各社に依頼したシステム提案について、佐賀市役所 デジタル推進課 主任 安元 秀志 氏は次のように語ります。

「今回のテレワーク環境の構築にあたり、当市役所では、2017年より運用を開始した「三層の対策」のセキュリティ環境を変えることなく構築することを第一の条件として設定しました。また、テレワークの規模を、合計200台(通常使用180台+予備20台)の端末を使用する200ユーザーに設定しました。この200ユーザーという数字は、コロナ禍の対策として実施した出勤抑制の状況を踏まえたものです。出勤抑制を実施した職員は、窓口業務や通常PCを使用しない職員を除いた中の約20%の人員でした。その実績を様々な角度から分析したところ、予備を含めて200台のPCが必要になることがわかりました。しかし検討から準備期間を含めて約6ヵ月間で、これまでの10数ユーザーから200ユーザー規模のテレワーク環境に拡張しなければなりません。それを実現させた大きな要因が『リモートPCアレイ』の採用でした。」

接続先PCのスペース効率化と管理性の向上さらに、
コスト削減や負荷干渉によるパフォーマンス障害の低減も可能に

今回のテレワーク環境の構築にあたり大きな課題となったのが、200ユーザーが使用するPCの設置場所でした。
既存の運用システムのソリトンシステムズSoliton SecureDesktopは、テレワークで使用する持ち出しPCと接続先のPCとが「1対1」の関係となるリモートデスクトップ方式です。今回構築するテレワークの環境も、同様のリモートデスクトップ方式をベースにしているため、接続先のPCを特定の場所に設置することになります。既存のテレワーク用の接続先PCは10数台ということもあり、市役所内のサーバールームに設置していましたが、今回は一気に200台のPCが必要となります。そのため、PCを設置するスペースの確保と、その維持管理などが課題となっていました。その解決策として提案されたのが「リモートPCアレイ」の活用でした。
今回のテレワーク環境のシステムを提案し、実際の構築を担当した株式会社 佐賀電算センター 公共事業部システム3部 システム2グループ サブマネージャー 中島 恵輔 氏は、次のように話します。

「今回導入した『リモートPCアレイ100』は1Uの筐体に物理PCカートリッジを20台搭載することができるので、200ユーザーに対応したPCの設置は、1Uの筐体10台をラックに設置することで対応することができます。また、単にPCを集約することが目的であれば、仮想システム上に必要な数だけ端末を構築するという方法も考えられますが、この場合は、その方式に応じた複数のソフトウェアを用意しなければならないので、その分のコストがかかってしまい、また維持管理も複雑なものとなり、構築期間も長期となります。この点でも『リモートPCアレイ』は、CPU、メモリー、ストレージといったPCカートリッジのほか、ネットワークスイッチ、マネジメントソフトウェアなどのコンポーネントをオールインワンで提供できるため維持管理も容易で、構築も単期間で可能です。さらに、1ユーザーにつき1PCカートリッジを物理アクセスで割り当てていますので、他ユーザーからの負荷干渉といった、パフォーマンス障害の要因も低減されています。」

新たなテレワーク環境の運用を2021年4月から開始
各部署の利用状況を分析して今後の拡充を図る

また、佐賀市役所では自治体特有の三層の分離を踏まえて、今回のテレワーク環境の構築においても、現状のシステム環境をできるだけ変えない必要がありました。こうしたセキュリティ対策について安元氏は次のように話します。

「既存のテレワーク環境同様、今回使用する専用の端末は、接続先PCの画面だけを圧縮および暗号化して表示する画面転送方式を取っていますので、テレワーク用の端末(持ち出しPC)にはデータが残りません。そのため万が一、端末に不具合が生じた場合でも情報漏洩などの心配はありません。」

こうしたセキュリティ対策も含め、安元氏をはじめとしたデジタル推進課では、今回構築するテレワーク環境の特徴などを、運用開始に向けて市役所の職員全体に周知していきました。テレワークの利用は比較的少ないと思われる、住民サービスなどの窓口業務を主とした部署にも、短時間のWeb会議などでも利用できることなどを伝えていきました。
テレワーク環境に関連したシステムの導入は2020年11月から翌2021年2月にかけて行われました。2月後半には1〜2週間ほどの期間でテスト運用を行い、端末の操作性やネットワーク接続のストレスなど、実運用にあたっての細かい部分を確認しました。

「4月の第3週から本格運用を開始したテレワーク環境は、これまでトラブルもなく順調に運用されています。現在は、テレワークの試験運用も兼ねて、各部署に2台ずつ端末を配布し利用を促しています。職員からも『思った以上に有効に使える』『テレワークは作業に集中できる』といった評価も上っています。」(安元氏)

デジタル推進課では、こうした各部署からの利用状況の報告を集計して、今後のテレワーク環境の整備に向けた取り組みを進めています。

「『〇〇課では〇月〇日、〇時から〇時までWeb会議で使用』といった利用実績を集計し、分析しています。こうした各部署の利用状況や要望などを踏まえて、『〇〇課には〇台の端末が必要』といった今後の需要等を検証して、現在のテレワーク活用をサポートしながら、さらなる拡充を図っていこうと考えています。」(安元氏)
システム概念図
システム概念図

お客様情報

お客様名 佐賀市役所
所在地 佐賀県佐賀市栄町1番1号
自治体概要 佐賀市は、佐賀県の中東部に位置する同県の県庁所在地であり、経済・行政の中心地です。平成17年および19年に周辺町村と合併し、脊振山系の山林や清流、佐賀平野に広がるクリークや田園風景、豊饒の海といわれる有明海など素晴らしい環境に恵まれた、多様な魅力を備えるまちとなりました。今後も市民や地域がそれぞれの個性や魅力を発揮しながら、市の将来像である「豊かな自然とこどもの笑顔が輝くまち『さが』」の実現を目指しています。
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