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導入事例 - GMOインターネット様

導入事例 - GMOインターネット様

導入の背景

2013年に立ち上げたVPSサービス「ConoHa」をパブリッククラウドサービスへとリニューアル。オールラッシュによるマルチリージョン展開を着地点とした。
ユーザがコストメリットを享受できる高機能サーバとSSD(Solid State Drive)の特長を引き出せるSDS(Software DefinedStorage)ソリューションを求め、従来から採用しているOpenStackとの親和性の高さでDell+Nexentaストレージ・アプライアンスソリューションを採用。

評価

リニューアル前よりも集約率を25%も向上させた。これにより、従来の低価格な提供価格を維持しつつ、圧倒的なパフォーマンス向上と多くの機能追加を実現した。

導入製品・ソリューション

カタログPDF


「海外リージョン対応」「オールフラッシュ」のパブリッククラウドサービスを構築

ロゴ GMOインターネットは、91年にマルチメディアを事業とする企業としてスタート。インターネットが徐々に普及し始めた95年からインターネット事業を展開してきた。99年にはインターネットサービスプロバイダ(ISP)として初の店頭公開を行うなど、急速に市場拡大していったインターネット業界を牽引してきた企業だ。
現在の事業領域はインターネットインフラ、インターネット広告・メディア、インターネット証券、モバイルエンターテイメントの4分野。国内でのシェアはgTLDが91.5%、クラウドホスティングが55.6%など、他を圧倒するようなシェアを誇っている。
そんな同社では2013年にスタートしたVPSホスティングサービス『ConoHa』をパブリッククラウドサービスへと刷新、2015年5月から運用を開始した。ホスティング事業部テクニカルエバンジェリスト 斉藤弘信氏は

「ConoHaはVPSとしては後発のサービスですが、国内を中心に支持を得て実績を残してきました。その中でお客様の機能拡張や海外リージョン対応の要望が増えてきたため、パブリッククラウドにすることを考えました」

と振り返る。
ISP各社から同様のサービスが登場しているなかで、競争力を備えるにはコストメリットが感じられる高機能・高性能なクラウド環境が必要だ。「海外リージョン対応」と「オールフラッシュ」を構築ポイントに、ハードウェアには低価格ながらも優れた分散ストレージシステムと、それを支えるハイクラスの機能・パフォーマンスを求めた。そこで海外展開の際もしっかりとした保守が受けられるデルに注目、1U2ソケットサーバの汎用性とコストメリットから、Dell PowerEdge R630を採用した。

OpenStackベース競争力のあるサービスに

また、

「魅力的な機能を開発し、競争力のあるサービスを提供するために最適」(システム本部第二サービス開発部オープンコンピューティングチームチーフエグゼクティブアーキテクト 郷古直仁氏)

として、キーテクノロジーと考えたのがOpenStackだ。同社は従来からOpenStackをベースとしたサービスを数多く提供し、ノウハウも蓄積されていた。郷古氏は

「OpenStackは、クラウドコントローラとしてのAPIの透明性が高くわかりやすいという長所があり、ソースコードもわかりやすいのが特長です。バージョンアップしていく中で、クラウドのプラットフォームとして十分に利用できるようになってきたため、我々が考えるサービスを実現する環境として適していると考えました」

と続ける。
結果、ConoHaは月額900円(海外リージョンは1,170円)の低価格な定額制を実現、また月額料金を上限として、1時間単位(国内1.3円/海外リージョン1.7円)で利用することもでき、開発環境やトラフィック増加時などの一次的なサーバ利用でもリーズナブルに活用したい時間だけ利用できるサービスとなった。
IaaS型のクラウドサービスとして、アメリカ(カリフォルニア州サンノゼ)、シンガポール、日本の3つのリージョンで利用でき、仮想サーバや追加ストレージサービスのすべてにSSDを採用して高パフォーマンスを実現した。使いやすいコントロールパネルとともに、すべての機能をコントロールできるOpenStack互換のAPIを提供していることもConoHaの特長のひとつである。
お客様

早くから注目していたNexentaソリューション

『ConoHa』はCPUコア数とメモリ容量によって料金プランが分かれ、ストレージ容量はすべて50GBに統一。SSDを使った追加ブロックストレージは、より多くのストレージを利用したいユーザにオプション提供している。この追加SSD用と自動バックアップ用のストレージサーバにはDell PowerEdge R720xdを採用した。ファイルシステムには、SolarisのZFSを備えた。ZFSでSSDのブロックストレージをマウントする方法なら性能が出せると考えた結果だ。というのも、当時の分散ストレージシステムのいくつかのストレージはSSDをしっかりと対応しておらず、求めるIOPSを出すことができなかったという。 そこで着目したのが、ZFSを採用しているSDS製品Nexentaの『NexentaStor』だ。

「NexentaStorは、別のSolarisの案件などで使ってきた経験があり、理解しているという利点がありました。OpenStock側のブロックストレージであるCinderにドライバレベルで対応しているため、ZFSの機能で連携させてサービスを構築できると考えました」

と郷古氏は話す。
Dell-Nexentaのストレージ・アプライアンスソリューションにも以前から注目していた。ストレージサーバにDell PowerEdge R720xdを採用した背景には、同ソリューションの中で性能要件を満たしていることが決め手となっている。
GMOインターネット様Nexenta導入事例システム構成

DELL-Nexentaストレージ・アプライアンスは問題解決への最短ルートに

「導入の際にはNexenta社のサポートを受け、スムーズな導入が行えた」

とは、システム本部第四サービス開発部インフラエンジニアリングチームマネージャー島原弘和氏。一方で、デル、Nexenta、サプライヤー、GMOインターネットの各社が協力体制を組むことの重要性を感じることができたと振り返る。

「リリース前にハードウェアとソフトウェアの相性問題が発生しましたが、各社が一緒に解析や問題の切り分けを行い、原因の特定と対処に漕ぎつけたのはよい勉強になりました」

その意味で、デルとNexentaが共同で提供するストレージ・アプライアンスは大きなメリットがあるとし、

「切り分けを含めた保守もワンストップで行え、万が一のトラブルの際にも両社の体制で問題解決ができるという安心感があります。DELL-Nexentaストレージ・アプライアンスは、問題解決への最短ルートをたどることができるパートナーシップが築かれていると思います」

と話す。
動画やmetaデータなどの多くのデータを扱う動画配信サービスでは、追加ストレージサービスを活用し、非常に高速であるという評価も出ている。
運用面では、仮想マシンのデプロイもSSDを活用することで高速になり、運用負荷を低減できることもメリットとして考えられる。仮に他のエンタープライズ向けの分散ストレージ+オールフラッシュのアプライアンスと比較したとすると、島原氏は

「正確には言えないが、おそらく、50〜70%減で構築できたのではないでしょうか」

と答えてくれた。
この後のConoHaの展開について斉藤氏は、

「海外リージョンを増やし、新機能についてのドキュメントなどのサポートや、新機能の利点をアピールするプロモーションをもっと展開したいですね」

と話す。また、郷古氏も、

「ConoHaのメールやデータベースといった現在の追加サービスは、OpenStack上に我々独自のOpenStackサービスを乗せる形で実現しています。今後もOpenStack開発技術の高さを活かして、追加ソフトウェアサービスを増やしたい」

と言う。
また島原氏は

「今後、NexentaとはOpenStackとの連携を考えたビジネスを伸ばせるようにパートナーシップを組みたいと思います。また、デルに対しては、今後も海外での保守品質を高める努力を継続していただき、ともにグローバルで戦えるパートナーであり続けたいと思います」

今後もユーザニーズを満たしながら、先進的なストレージソリューションを展開していくに違いない。

お客様情報

お客様名 GMOインターネット株式会社
所在地 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー
業種 情報・通信
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